W 面白いか分からないけど、初音ミクのオペラは行く。
T 初音ミクは現象として興味深いと思う。
I ああ。
T ま、ライブとか、インターネット上の現象とか。
I うん。
T そこから生まれてくる様々なものとか。
I 十年後ぐらいにどうなってるかが楽しみで。
S ああ。
H うん。
I 現象としてすごい興味深いのが、あれ、ヤマハから、あの、作ってるのは違うとこなんだけど、エンジンはヤマハが作ってんですね。ヤマハっていうと、今から三十年ぐらい前に、えーとDX7ていうシンセサイザーを出したんですよ。
W うん。
T ほお。
I で、80年代爆発的に売れて、DX7入ってないCDはないと言われた。ポップミュージックでね。そのぐらい売れた。で、実際、まあ、聞くとすぐ分かる。
一同 ええっ?
I いや、分かる分かる。
W 分かるんだよ。
I DX7て聞けばすぐ分かる。すぐ分かるんだけど、で、当時はやったのが、こうあれ、えーと、DX7て楽器を使って、えーと、ひずんだギターの音を真似るっていうのがすごくはやったんですよ。
H ふーん。
S えー。
I ひずんだギター、まあ、シュミレーションするっていうのかな、で90年代に入ると、その90年代のミュージシャンとか批評家とかってのが、その、80年代そんなはやったのに、みんな一斉に攻撃するわけですよ。不毛な時代だったと。
一同 ほおー。
I それに、あの、ひずんだギターはひずんだギターで出せば良いのに、シンセサイザー使ってシュミレーションするって何て不毛な時代だったんだろうって。ということを言う人がいっぱい出てくるわけ。
S へー。
I で、00年代で、要するにミクが出てきて、ま、言ってみれば、一生懸命人間の声シュミレートしてるわけ、おんなじヤマハですよ。十年後ぐらいすると多分・・・
S また。
T 不毛な時代だったと。
I そうそう。って言う人が出てくる気がする。
S 私、でも、ミクの、いわゆる調教っていうのが難しいっていうのは、結構安心しましたけどね。
I うーん。
S 何かホログラムが出てきたら人間いらなくなるっていう、役者として、ライブアートとして、すごい危機感があったから。
I ああ。
S あ、そう簡単に人にはならないんだ、っていうのはすごい安心して。
T そのう、やっぱ初音ミクの消失とか、人間ではできない速度とか、できない高さとか、その辺がやっぱり、初音ミクの初音ミクたる所以。
S 面白いなとは思った。
T 単純に人間の声を真似るだけではなくて。
I はいはい。
T 人間にはできないことをやるっていう意味では、それほど不毛ではないのじゃないかなと。
I うーん、そーかそーか、なるほどね。
T もちろん、そーすると今度は人間が真似て、あの
H 歌ってみたとか。
T そう、歌ってみたが、またすごいんですけど。消失を歌う人がいるんだ、と。
W まあ、単純にパソコンで編集しちゃえばできるんだけど。
一同 (笑)
W 具体的に言うと、リアルな音と、サンプリングした音の区別が・・・
I 区別つかないよ。
S えぇーっ!
W これはソフトで作ったギターの音ですっていうのと、録音したギターの音ですっていうのと、(昔と)精度が全然違う、全然高いから、差が分かんないから。
S そうなんだ。
W コピーメディアに関してだったら、もう全然。そこに差はないので。
S そうなんだ・・・いやあ、人間いらなくなる?
だって、昔さ、バットマンリターンズで、CGの役者が歩っただけで、役者の権利問題で騒ぎになった時代があったのに。
I ああ、でも、それはもう昔っからあって、その楽器の世界でも、えーと、70年代・・・60年代の終りくらいにメロトロンって楽器が出るんですよ。
S ん??
I メロトロンって楽器。
T 霧のメロトロン?
I どういう楽器かっていうと鍵盤の楽器なんだよ。鍵盤の楽器なんだけど、鍵盤の一個一個に全部テープレコーダーのヘッドがついてるのね。再生用のへッドが。
T ほお。
I えっと、鍵盤を押すとそのテープが再生されるわけ。で、そこに、オーケストラとか、人の声とか入ってて、で、オーケストラの音録音してるからオーケストラの音出ちゃうわけですよ。
S おお。
I で、これに、当時、その、まあ、イギリスとアメリカの、音楽、ミュージシャンの組合が、もう、猛反対して、これは絶対レコーディングで使ってはいけない!みたいな。
H ええー。
I デモが起こるわけですよ。
S デモ!?
I ストも。
S ストも。
I ストが起こった。
W (笑)
Su ふーん。
I で、これ、ビートルズとか、有名なポップミュージックでも結構聞かれるんですけど。結構これ問題になったんですよ。で、80年代くらいになると、今言ってたサンプリングという技術が出てくる。で、こう、バーンて叩いてそのまま再生できるみたいな機能ができて、そこでやっぱり、もうミュージシャンいらなくなるみたいな、人が結構出てきて、ま、その、80年代にサンプリングが出てきて打ち込みで全部できるようになって仕事が無くなった、って言う人も出てくる。
一同 えぇーっ!
I でも、ね、いや、でも、そんな簡単に取って代わられるものではないと。
S・H ああ。
I で、結構それを言い訳にしてるミュージシャンいるんではないかと。
T 取って代われるくらいのものしかなかった、と。
I そうそう。
T 言ってしまえば。
I 言ってしまえば。
T でも、そこの、その、テクニックなりなんなりのクオリティが、分かる人の方が、やっぱり少ないわけですよね?
I うーん、でも、当時もそのサンプリング技術でいうと、今より全然ショボいものですよ。
W うん。
I で、あの、その生のプレーヤーが弾いたニュアンスと、やっぱ全然違うので、それもやっぱり聞けば分かる。
T にも関わらず駆逐されてしまったのは、やっぱり・・・。
I そう、その人に問題がある。
S ふーん。
I いつの時代でも、やっぱそういう人いるわけですよ。
H うんうん。
I 人の仕事が奪われるみたいに言う人。だけど、やっぱそこで奪われちゃう人は、その人自身の問題。技術の問題ではないのではないかと。
H 素晴らしい人は何があろうと?
I うーん、そうそう。
H そうそう無くならない。
I うん、そうなんじゃないかなと。
T えーと、じゃあ、最近見た面白いもの。
S どうですか?皆さん、何かご覧になった?
W 映画は今結構面白いのやってる。
I ああ、映画今面白いのやってる。
S 何、何?
W コズモポリスとか。
I クローネンバーグ。
W クローネンバーグ。
I ドン・デリーロ原作。
W 今、小説持ってる。
I 小説持ってる!?
S 持ってる!?
I 僕も先に読んでた!
W ドン・デリーロだから、別に、まあ、読んでもハズレはないだろうという。原作が良い。
S そうなんだ。
W ドン・デリーロっていう、あの、アメリカ文学の巨匠。
S へえ。
W とりあえず小説も読んでるけど、これ面白い。
T (調べながら)あ、これ、一昨日始まったばっかりじゃないですか、上映。
W これ、昨日見たんだけど面白い。
S ほんとう。
W リムジン(笑)、あのリムジン映画(笑)
S へっ?
W ずっとリムジンの中にいるの。
I そうそう。
W で、話が展開していくっていう。
S すごい!
I リムジンの中でこうネットにつないで、みたいな。
Su ドン・デリーロ。
W で、何かすごい、若手の、ベンチャーキャピタルで、こう、財産を築いた若者が、リムジンにって・・・何かね、すごい不条理な映画で。
S (笑)
W もう、不条理な内容で、もう、リムジンの外が、カオス状態で、ニューヨークなんだけど、何か、あの、大統領の行進パレードをやってるんだけど、それと同時に大規模なデモが起こってて、
H ふーん。
T ほお。
W 無法地帯になってる。
S 無法地帯。
T へえ。そう言えば映画はチェックしてなかったね。
S そうだね。
I 映画は今面白いのいっぱいやってますよ。
W あと、レオス・カラックスの
I カラックスね。
W ホーリー・モーターズ。レオス・カラックスの13・4年ぶりくらいの。
S ふーん。
W 超寡作な監督で、キャリアが三十年くらいあるはずなんだけど、多分長編で五本くらい。
I ある時期から急に作んなくなったの。
W あ、そうそう。
I 連続してやってたんだけど、80年代初頭。
W 三本青春三部作っていうのを作って。
I そうそう、それがね、結構日本では受けた。
S へえ。
W 三作目がポンヌフとか。ポンヌフの恋人、商業的に。
H あ、聞いたことある!
T フランスですね。
I・W フランス映画。
W それで十年後に
I・W ポーラX
W っていう映画を作って、僕それ見たの高校のときかな。で、13年ぶりに映画を作るっていう、で、これも・・・リムジン映画です(笑)。
S またリムジンなの!?
I リムジン。
W 偶然リムジン映画。
S 何、今、世の中リムジンなの?
W 今年の二大リムジン映画。
S 今年の二大リムジン映画(笑)。
I (笑)
W リムジンで展開する映画が今同時にやってるの。全く違うアプローチで。
T (調べながら)「夜明けから深夜の間に11もの異なる人格を演じる」ほうほう。
W ドニ・ラヴァンていう。何かもともと、フランスの何か、大道芸とかそういう。
T ドニ・ラヴァン。
W なかなか良いですよ。
T ふむふむ。
W ちなみに、十年前に作ったポーラXっていうのが、主演二人が既に死んでる。
I あ、そうそうそうそう。
S え、何で?
W・I そうそう。
S だってそれって若くしてですよね。
W・I そう。
W 若くして。
S 偶然てことですか?
W 偶然。
S えー!
W 男の俳優さんのほうは、ギョーム・ドパルデュー?若いとき。
I ギョーム・ドパルデュー。
W あれ?ジェラール?
I いや、ギョーム。
S え?
W お父さん、ジェラール・ドパルデューって、すごい、フランス映画の。
H うん。
S うん、知ってる、知ってる。
W その息子さんがいて
H が死んじゃった?
I そうそう。
W そう、若くして死んじゃった。
S そうだったんだ。
W で、もう一人主演の、女優さんがいて、それは監督のパートナーなんだけど一昨年くらいに死んじゃったんだっけ?
T ふーん。
S えーっ!
W カラックスは、何か、出ると不幸になるって、いろんな人に言われてて。
S やだ、ドキドキしてきたな・・・。
W ま、でも、まさに体現してしまうとはって。
S いやーっ!
W 呪われた作家って言われてるんだよ。
S そうだったんだ・・・。
じゃあ、映画いきましょうね、この状況なので。
I 映画、今、面白いのいっぱいやってますよ、ほんと。
W リーンカーンも。
I そうね、リンカーン。
今やってるのだとね、後は、偽りなき者ってやつと
W ああ。
I あと、昨日見たんだけど、汚れなき祈りっての。
T いろいろ混ざってる。どこの?
I 汚れなき祈りはね、ルーマニア。
S・H へー。
I えーっと、主演女優二人が、去年のカンヌで、女優賞取ってる。で、偽りなき者が、これも去年のカンヌに出して、主演男優賞取ってる。
S・H ふーん。
I 両方ともね、こう、何て言うか、集団の狂気みたいなのを描いてる。
S ・・・おや?
H ・・・リムジン。
S リムジンとセットなんですか?
一同 (笑)
I えーっとね、汚れなき祈りの方は、えー、ルーマニアの正教会が舞台なんだけど、そこにある女の子が飛び込んできて、その子が、まあ、いろいろ問題起こすわけですよ。で、それで、この子に悪魔が取り憑いているっていうんで、その子に、まあ、いろいろ
T うーん。
S ひいぃっ!
I まあ、シスターだったり、修道士だったりが、まあエクソシスト、ね、まあ、するんだけど、まあ・・・*****っていう。
一同 うーん。
I ま、今ネタバレしちゃったけど、でも、その経過がものすごい。
Su ふーん。
I で、もう一つの偽りなき者っていうのが、幼稚園の、何?保育士なんだけど、その、保育士のもとに通ってる子供が、その保育士に、エッチなことをされたと嘘をつくんですね。
一同 おー。
I 妄想で嘘をついちゃう。
T うん。
I で、嘘をついて、それが、こう、保育士の間に広まって、地域のコミュニティーにも広まって、で、そのコミュニティーを追放されちゃうっていう
S ひいぃっ!
T うーん・・・。
I って、そういう映画。
W ひどい・・・。
S 何でだろう、何で、傾向がこんなに分かれたんだろう。
何か、リムジンっていう閉鎖空間と、何て言うか
一同 集団の狂気(苦笑)
W まあ、ムラ的な。
S ムラ的。
W 社会的なところと、こう。
I その、閉鎖で言うと、もっと面白いのがあって。
S い、いやあ・・・。
I えーっとね、これは、今年の、えーとアカデミー賞で、えーっと、うーん、外国語映画賞取った。
W・S あ!
I で、その年も、さっき言った二本の、汚れなき祈りと、偽りなき者と、一緒に出てて、えーと(カンヌで)パルムドール取ったのかな?
一同 おー。
I 愛、アムールっていう。
W おお!ハネケ!
I ハネケ。ミヒャエル・ハネケっていう、オーストリアの。この人は、イェリネクのピアニストっていう
W・S あ!
W そうだそうだ!
S そうか!
I 映画化してるっていう。
T 愛、アムール。
I そうそう。
S 何か、すごい話題になってるね。
W 僕はね、リンカーン見たいです。
S ちょっと見たいですね。
W ミュンヘンと同じで、トニー・クシュナー脚本
一同 ふーん。
W エンジェルス・イン・アメリカの。
S あれ、リンカーンって、主演は誰でしたっけ。
W ダニエル・デイ・ルイス。
I 今年のアカデミー賞主演男優賞。
W あまりに寡作で、息子に俳優だと思われてなかったっていう
一同 (笑)
I そうそう。
H 寡作つながり?
S すごいそれ!
一同 (笑)
S え、じゃあ、展示系は?
I 展示ね。ソフィー・カル。
T ソフィー・カル?
W・H あー。
I 原美術館でやってる。
S お。
W あれって、どーゆー人なんですか?全然わかんないんですよ。
I ソフィー・カルは、僕、まだ行ってないんだけど、すごい好きで。行っとこうかなあと。
W 何系の人ですか?
I 写真もやるし、あと行為芸術・・・っていうのかなあ?
S え、本当?
W パフォーマンス的な?
I うん、あのね、あと、小説家。
S 多才だなあ。
W 一個前のペドロ・コスタは行ったんだけど。
I あ、ペドロ・コスタも行きました、私。
あれ、ペドロ・コスタの新作から抜粋してるらしいんですよ。
W あ、ですよね。
I そうそう。
W あの
I そうそう。
W 短編4作の、あの、すごいやつやってるんですよ。オリベイラと、えーと、あれ、あの、
I えーと、誰だっけな。
W あの、ミツバチのささやきの人。
I エル・スールの人だ。
W えーっと、名前が・・・ビクトル・エリセ!
I ビクトル・エリセ!
W ビクトル・エリセと、ペドロ・コスタと、オリベイラと・・・あと、誰だっけ。
えっと、ロシア?の人。
I ロシア?
W あー、レニングラード・カウボーイズの・・・。
S の?
W 出てくなくなっちゃった。
S ここまでヒントが出ていれば、後で検索をかければ
I ロシア?カウリスマキじゃない?
W あ、カウリスマキ!
I フィンランドだね。
W うん。すごい良いですよ。途中ゴダールも入ってたらしいけど・・・。
S ふーん。
W 何か、多分、ゴダールは仲間割れした。
S 何か日本のものとかは?
H 山口晃の、そごう美術館は行こうかなあって。
S おお!
H けど・・・。
S けど?
H あと何だっけなあ・・・。チェックしてすぐ忘れちゃうから。
一同 (笑)
S えー!
T でも、あの、水戸芸術館のクールジャパン展と、会田誠展は
I は、行った。
T どうですか?二つ見て。
I うーん。
S そうだ。二つ見て、いかがですか?
I 二つ見て?二つ見てね。えーと、会田誠はドメスティック、高嶺格はインターナショナルっていうか、ワールドワイド。
H うーん。
S うん。
I で、実際、高嶺格は、ベルリン?かどっかで展示やってるんじゃなかったっけ?
S え?本当?
I うん、縮小版をやってるらしい。
S あ、そうなんだ。
そう、会田誠展見たときに、印象として、あの、アメリカ批判は面白いんだけど、何か、すごいナショナリスティックな瞬間があって、それがどうかっていうのが、ずっとひっかかってた。
H うんうん。
S だから、なんだろう、2ちゃんねるの、こう、やつを、日本の古い字体で、日本の素敵な和紙に書いて、このスレッドは1000で、終了しましたみたいな、作品があったんだけど、これ、日本語分からなかったらツラくないか?と思って。
I うん、
S 意外とそういう作品が多いなというイメージがあったんですね。で、私行ってないんですけど、クールジャパン展は、割と全体にちゃんと翻訳がついてたって聞いて。
I うん。
S なるほどねえと思った。
W 水戸でやってた?
S そう!行きたかったんですけどね。さすがに2月は私、一応近場にいようかなあと思って。でも行きたかった。
T いや、会田誠展は、英語に対するものすごい憎悪と、でもそれゆえに、やっぱり英語を中心とした国際マーケットに乗っかってる、その、自分ていうのを、あの何でしょうね、そこんとこのズレと。それと、やっぱり、男性のセクシャルな眼差しっていうのを、かなり戯画的にかいてるのがなかなか面白かった。
そこは男女でどうも受け取り方が違ったようで。
S そうなの、私なんかは、そこまで。あ、そう思うんだって。
H ふーん。
S 何か、ぶっちゃけ自分もこう思わないことはないって、やっぱりそう思うそうなんですね。
H 男子目線。
S うん。
W まあ、でも、会田誠の女性は、完全に男子目線。
T そうそう。
W 男権化された、こう
T 男性の欲望の対象としての、はいキレイな美しい、あの、カワイイ女の子っていう、で、それを見て、欲情している、自分、を、こう、見られている感じがして、ずっと居心地が悪かった。
S・H ふーん。
T でも、あの、18禁、美少女と(文字が)書いてある前でマスターベーションをする会田誠の映像とか。
一同 (笑)
T だから、それを作ってる会田誠自身も、もちろんそうであるっていうことが前提になってる。
S・H うんうん。
T そこの、その、非常に居心地悪い空間、なかなかそこが楽しかった。
一同 (笑)
T 楽しい?あー、面白かった。だから、まあ、結構物議をかもした18禁部屋の作品よりも、もうちょっと別の、ジューサーミキサーの方が、一番、そういう、いろんな意味でグッときた。
S あの
H 血がブワーってやつでしょ?
W ミキサーに。
T でっかいミキサーで、その中にあるのが、全部、全裸の女の子。
Su ほうほう。
T あれは、良かったですね。
H ふーん。
T で、その隣に、その、日本の山水画のように
W 人が
T こう茫洋と描かれてるんですけど、それが全部サラリーマンの、こう、積み重なっていて、ただしそっちは顔がない。ジューサーミキサーの方は、ちゃんと顔が全部ある。かいてある。ひとつひとつ。あー、サラリーマンはどうでも良いんだなあと。
一同 (笑)
T 一応やっときましたみたいな。
S 本人も言ってたよね。「何で、全部女の子なのかって聞かれるん、だけど、100パーセントジュースっていうと、女の子の方が良いかなあ、って」
一同 (笑)
T 「何か100パーセントなら、女の子の方がいいかなあって。」
S そう、で、何かそれで、でも何で女の子なのって言われたから、サラリーマン100パーセントで、やってみました・・・って。
一同 (笑)
S でも、だいぶあれは物議をかもしてましたけど。
T まあ、でも、あの批判は、あれはあれであってしかるべきだし、ああいう公共の場でセックス&バイオレンスの作品を展示するっていうのはどうなのってことに対する、非常にこう、基本的な部分での批判って、やはりあってしかるべきだし。で、それに対して一応
H うん。
S 回答した。
T まあ、優等生的に、回答はしましたし。
W うん。
T ああいうのは、もっともっとたくさんあって良いと思うんですけどね。
表現の自由という言葉を使わなかったところも、注目して良いのかなと。ね?
S いや、あれは、私が言ったわけじゃなくてね。会田誠も、森美も、表現の自由って言葉を使わなかったのは大したもんだよね、と、話題になってた。
T 表現の自由って言うと、そこで終わっちゃうからね。
まあ、あの何か、人権団体の批判、あれをバッシングする声もある。それはちょっと違うかなあと。やっぱ、あってしかるべき批判だと思う。と、僕は思います。
S 私は、何か、すごい、もうちょっと、全然。何かやっぱり、熊手で、あの、アキバのイメージとか、まあ、吐しゃ物のイメージとかをのっけて、何か、つくられた展示があったりして。
H うん。
S やっぱりこの、外国のお客さんがニヤニヤしながら、それを見てるのとかイライラして。で、やっぱジューサーミキサーの前に来ると、外国のお客さんが、うわ・・・って顔をするから、よしっ!!となる。
一同 (笑)
S そんなね、ちょっとナショナリスティックになる自分にね、あ、いけない、こういうのって、思ったりしました。
T うーん、だからそう、難しいところですよね。その、かなり、アメリカ批判とかグロ-バリズム批判とかいうものがあるのが反転して、こう、ある種のナショナリズムみたいなものに、こう
S うん。
T こともあるんでしょうかね?
S うーん、何か、それでね、ジューサーミキサーでよしっ!とか思ってたんですけど、あ、あたしよしと思ってしまったと思って・・・。
I うーん。
S ちょっと印象的だったんですね。実は。
H (日本)民藝館のアイヌ展がね、やばいんですよ。
S えっ!そうなの!?
T いつからいつまでですか?
H えっと6月の2日までやってるんですけど。
タイトル、アイヌ工芸展だから、すっごい地味っぽいんですけど、何かその、割と、その、アイヌっぽいものも出てるんですが、民藝館は大広間の展示室の他に、小部屋がいくつもあって、で、小部屋の中に原始の造形って部屋が
S ええっ!
W (笑)
H 今回の展示に合わせて。で、何か、結構、その、柳宗悦とか、民藝運動の人たちが集めた、原始的なのが、すごい・・・
Su (笑)
H 何でこんなものが?って言うような
S (笑)
H 何か新生児みたいな
T ほう
H 土偶とか・・・コロンビアの土偶
I それアイヌ関係ないじゃん!
一同 (笑)
H メインはアイヌ展なんですけど、他んところは、何か、沖縄の染織とか
Su へえー。
H 何か、台湾とか、の方の、何か、先住民族の服とか、小物、とかが置いてある中に、原始の造形っていう部屋があって、もうね、それを私はいろんな人に見せたくてしょうがない。
I ほお。
S やばい、行かなきゃ!
Su へええー。
H 何か、アメリカ先住民族のマスク?とか。
S へえぇ。
H 何か、もう、ちょっとね、飛び跳ねちゃう。
W 飛び跳ねちゃう(笑)
H 中にいる人も、今回どうしちゃったのっていうことが今起こっている。
T (調べて)えー、玄関から、日本の民窯、窯です、沖縄の御絵図と陶器、おえず?
H あ、みえず。はね、御絵図は沖縄の服地の、あの、下地になる。
S へえええ。
T 続いて、東北の工芸
H 東北の工芸も、結構アバンギャルドな感じがする。
T 沖縄の染織?
H あ、せんしょく。
T そして朝鮮陶磁
I ほお。
H これはいつもやってる。
T 棟方志功と河井寛次郎
H これも割といつも。
T えー、そして、原始の造形
H 原始の造形!
S やばい(笑)
T あと、台湾先住民族の工芸
H これも、何か、ショッカーみたいな人がいっぱいいて
一同 (笑)
H 何か、ちょっと
T 割とこう幅広い
S 幅広い!
H うん。
T アイヌなんだけど、沖縄、東北、朝鮮
H そう、小部屋が楽しい。本当に原始の造形は
S 何が起こってるんだと?
H 何か、今日も頑張ろうね!みたいな。
一同 (笑)